橋本一子Ub-X(ユビークス)始動!

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3月22日にeweよりアルバム『Ub-X』をリリースする橋本一子Ub-X(橋本一子p&vo、井野信義b、藤本敦夫ds)に、各界著名人のみなさんから、こんなにたくさんのコメントが寄せられました!
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岡野玲子(漫画家)
深い森のやわらかな苔に覆われた清い斜面から、たった今生まれたばかりの水の行方を、私たちは追って旅をする。水はきらめきながら様々な場所を訪れる。とても有機的であったり、とても無機的であったり、めくるめく都会のようであったり、少女の心臓の中のようであったり。水と私たちはともに、とても思いがけぬ、とてもなつかしい場所に足を踏み入れる。まるいとびら。月色のとびら。ふたごのとびら。ステップを踏んでいるとびら。どの扉の中も 混じり物は存在しない。澄みきった、冷たい水をするすると飲み込むように、水と私たちはひとつになり、打ち寄せる波に 身をまかせる。三人の音色は、そんな魔法の水の存在を、思い出させる。

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片山洋次郎(整体師)
Ub-X 憑依する飛翔装置
Ub-Xの音楽にひとたび取り込まれると、意識、というよりは身体がトランスする。骨盤の底を揺さぶる加速感、地震のような横揺れがやってくる。音はデリケートなタッチなのに、強力な浮揚感で身体ごともっていかれる。激しく加速し、飛行する。そして遂には静寂の空間に到達する。遠くから響いてくるバラードは悪魔的美しさだ。それから静かに着地する--自分自身に。

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菊地成孔(音楽家/文筆家/音楽講師)
 この方はワタシの先生(通っていた音楽学校の「アンサンブル」というクラスの) なので、コメントだの提灯だの、とにかく生徒である僕が書くのはおこがましいので すが(僕の作品に、先生としてコメントして欲しいですよ)、余りに素晴らしい内容 なのでほんのひとことだけ。

 このアルバムは「どの曲も全部同じ」です。違いがあるとしたら先生(橋本一子さ んの事を、ワタシはこう呼ぶわけです)のヴォイスが入っているか居ないかだけ。と 行っても良いでしょう。歌物とかもありますが、多く見積もっても2種類のスタイル しかない。それは凄いことだと思うのです。歴史に名を残すジャズのアルバムは全部 そうですから。

 先生は多才なので、今まで、いろんな事をあっちゃこっちゃ、敢えて一番悪く言う と、ヤリ散らかして来た感じがあるのですが(僕は生徒として、少しそういう所を受 け継いでいるかも。責任取ってください先生)、何と申しましょうか、とても素晴ら しいお歳の召され方をして。つまり、することのフォーカスがバッチリ絞られて、し かも斬新で懐かしく、もうどうしようもないほど美しい。と。逆説的に、先生は最初 から一貫してこういう音楽だけをやってきたのだなあ。という印象すら受けます。

 僕は男性としてはかなりのウソツキで、女性に対して、口先だけで褒めちぎること に何の抵抗もないクズですが、音楽家としては誠実ですから、それが先生であれ母親 であれ恋人であれ、クソはクソとはっきり言います。これは物凄い名盤です。ちょっ と興奮しちゃいました。

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小谷真理(SF&ファンタジー評論家)
 五人の幻想作家にオマージュをささげた『Phantasmagoria』のなかで、それらの作家のことを、橋本一子は「音楽のようなものが聞こえてくる」と説明している。が、橋本一子の音楽を聴いていると、世界全体が詩の断片でできているかのように思える。彼女は、世界の詩片を、あるときは熱心に、あるときは、きまぐれに拾い集め、そっとならべてみせる。ほら、世界はこんな音色で聴こえていると言いたげに。楽器の音に混じって、彼女のつぶやきを聞き分けようとするとき、宇宙は無数の詩的言語からなりたっているのだと、確信する。
 新作『Ub-X』は、世界がなじみやすいことばによってばかり成りたっているのではなく、ずっと異質で不条理なものに満ち満ちているという感触から始まる。しかも、わたしたちにおそいかかってくる不条理性とその違和感が、なぜかとてつもない美しさをともなっているのだ。それが批評的な言語であり、女性的なものに接続されていたのではないかと悟った里蓮⊇?Bona Deaのやさしい音のつらなりを耳にしたときだった。

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佐藤道明(画家)
 橋本一子さんの音楽にふれるとき、目の前に浮かびあがるものがあります。それは放物線軌道に乗った惑星の姿。といっても、岩や氷でできているのではないのです。
 星を作るのは、青い玻璃の導管と、ラピスラズリの弁。それからナノ・チューブの弦にオパールの共鳴板。その星は、全体がひとつの楽器なのです。
 直径は2メートルに満たないのに、大気圏があります。その空の藍色は、一子さんのヴォーカリーゼ。星が通過した軌道には、虚空を虹色に埋めつくす楽曲が残ります。
 画家であるわたしは、この楽器の星を描きたくて、すこしずつスケッチを重ねてきました。今回の「Ub-X」では、おなじ軌道を巡るふたつの星、INO星とFUJIMOTO星を追加する必要があります。どちらの星も、その強い重力で、惑星の間に共鳴を生んでいるのですから。どうやらスケッチはさらに枚数が増え、楽器の星の絵が完成する日は、いささか遠のきそうです。あるいは完成する日はこないかもしれません。それでも、ずっと見つめていたい、そんな魔力に似た力が、この星にはあるのです。

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巽孝之(慶應義塾大学文学部教授・アメリカ文学専攻)
 まず『アンダーウォーター』に夢中になった。とくに「三月の水」は、美しいボサノヴァの響きと自然の奥に宇宙への扉を見出すセンス・オブ・ワンダーにみちた歌詞の取り合わせが完璧だった。
 したがって、その延長線上でジャズ・アルバム『マイルス・ブレンド』や思索小説へのオマージュ『ファンタスマゴリア』にふれたときのショックは大きい。橋本一子の音楽的可能性の背後にはめくるめくSF的想像力がひそんでいたことを、確認したからである。
 最新作『Ub-X』は、静謐なる五曲目が象徴するように、思索SF作家ディックが世界退行を矯正する特効スプレーを扱った名作『ユービック』(1969年)をモチーフに据える。のみならず、疾走する第六曲目は、クラーク&キューブリックが人類進化の触媒である漆黒の石板(モノリス)を主役にした『2001年宇宙の旅』をイメージしたものだ。繊細なる歌声と衝撃の即興のうちに、未来への祈りが幻のように聞こえてくる。

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手塚真(ヴィジュアリスト/映画監督)
一子さんのピアノはヴェルヴェットのような艶がある。その音色ひとつで、ああ、いい音を聴いたと安心できるのだ。
昨年、ひさしぶりに舞台の仕事で彼女とご一緒できた。そこには日本を代表する舞踊家たちや世界的なダンサーがいた。軽いリハーサルの間、彼らはおしゃべりをしたり寛ぎながら各々デモンストレーションを行っていたが、一子さんがそこでピアノを弾き始めた途端、全員微動だにしなくなった。一瞬の戸惑い。そして緊張は次第に高揚感になり、それからのリハーサルはそれまでとは比べものにならないほどダンサーは深く踊り、各々の良い資質が溢れ出してきた。ぼくはいい意味で寒気がした。ピアノ1本で、こんなにもアーティストの感性を引き出してしまう一子さんの資質に。
この新しいトリオは、いつも未来を夢みている一子さんの瑞々しい面と、普遍的な音の深みが同時に愉しめる。ぜいたくな1枚だ。
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出渕 裕(映像クリエーター・デザイナー)

幻想都市へのいざなひ
橋本一子というヒトはつくづく〈言霊のヒト〉だと思う
単なる一ファンであったときから
幸運にも巡りあい コラボレーションし至る現在においてもなお その思いに変化はない
創作という行程で異界を旅をする者にとって この〈言霊〉は 道標であり 啓示でもある

〈言霊のヒト〉はみずからの肉体をもって 〈音楽〉を紡ぎだす
肉体を離れた 〈ひびき〉が 〈ささやき〉が 音楽となって 奏でられる
意志を持った響き そして 魂を獲得した言葉
彼らは 彼女らは たおやかに寄り添い 
此処ではないどこか いつか見た未来へと いざなってくれる

試しに このアルバムから それを解放してみるといい

そのとき オンガクは 言霊となり
その 言霊はきらめきとなり 
きらめきは 幻想都市へのパスポートとなって ボクらに手渡されるだろう 
そして旅が はじまる
ボクにとって そして アナタにとっての 幻想都市への旅が
たゆたふように 無限の流れの中を 
どこまでも どこまでも 
ワタシたちをいざなってくれるだろう


イマ コノトキカラ
ソシテ コレカラモ  ずっと

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ハルノ宵子(漫画家)
 手塚治虫氏の漫画に「0次元の丘」という短編があります。一子さんの曲を聴くと、なぜか必ずこの光景を思い出します。
 灰色の草と深い霧におおわれたその丘は、生と死の間にあります。その丘にたたずんでいる内に、ゆっくりと霧が動き出します。天も地も黎明の薔薇色に染まり始めます。晴れた霧の間に見える水平線から、ゆっくりと巨きな地球が姿を現します。あれは昔いた星なのか、これから行く星なのか---一子さんの音と声は、いつも生まれる前のこの地点に私を引き戻すのです。

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山田章博(漫画家/イラストレーター)
像を結んだり概念に解けたり。
恋人のように不安になったり、夏草のように安らいだり。
音符は旅をするのだと 一枚のアルバムが教えてくれます。

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よしもとばなな(小説家)
 一子さんの音楽をずいぶん長い間、聴いている。それは音楽がどんどん一子さんとひとつになって、一子さんが自然に音楽に溶けこんでいく過程だった。ひとつになるという言い方でも、大げさな感じがする。継ぎ目がなめらかすぎて、音楽が彼女なのか、彼女が音楽なのかわからない。そういう幸せなことが起こっていると思う。

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